大切なワクチンのお知らせ

「子宮頸がんワクチン」と「3種混合ワクチン」に関して
大切なお知らせ

子宮頸がんワクチンは定期接種ですが、正しい情報が伝わっていないため、接種控えがあります。
3種混合ワクチンは任意接種ですが、就学前にぜひ受けていただきたいワクチンです。

子宮頸がんワクチンについて

予防接種を行うことにより、子宮頸がん全体で6割、
20-30代の子宮頸がん患者に限定すれば、80-90%が予防可能です。
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子宮頸がんワクチンは2013年4月からは定期接種が開始されました。しかし、接種後に持続する疼痛や運動障害などの例が報告され、わずか2ヶ月で厚労省は積極的勧奨の差し控えを決定しました。これにより、定期接種にもかかわらず70%程度であった接種率が1%未満となってしまいました。予防接種対象者の手元に予診票が届かず、子宮頸がんワクチンについての情報を得る機会も少なく、ワクチン接種の目的や、今でも定期接種でワクチンを接種できる機会があることすら知られていないのが現状です。

子宮頸がんは近年若い女性に増加していて、年間約1万人が発症し、約3000人が亡くなっています。現在日本で利用可能な2価(サーバリックス)または4価(ガーダシル)の予防接種を行うことにより、子宮頸がん全体で6割を、また20-30代の子宮頸がん患者に限定すれば、80-90%が予防可能と言われています。
その後厚労省研究班(祖父江班)や名古屋スタディなどの国内における疫学調査によって、上記のような副反応が非接種群と比較して、決して多くないことが示されました。

(つまり、子宮頸がんワクチン接種後の副反応のような症状は、接種していない同年代の女児にも一定の割合で起こりうることを示しました) 世界的には安全性の高い予防接種として広く接種されているのに対し、先進国では日本だけが接種率が低い状態です。

世界的には安全性の高い予防接種として広く接種されているのに対し、
先進国では日本だけが接種率が低い状態です。
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世界的には安全性の高い予防接種として広く接種されているのに対し、先進国では日本だけが接種率が低い状態です。

WHOは2019年5月に「子宮頸がん排除」への声明を発表し、HPVワクチンと検診で 今世紀中に子宮頸がんの排除が可能としています。 2018年ノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生も、「現状では日本人女性は実害を被っている」と受賞後会見でHPVワクチンの積極的な接種勧奨を訴えていました。

日本産科婦人科学会、日本小児科学会など多くの医療団体および関係者が
HPVワクチン接種の安全性と必要性を訴えています。
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日本産科婦人科学会、日本小児科学会など多くの医療団体および
関係者がHPVワクチン接種の安全性と必要性を訴えています。
現在もまだ積極的勧奨からは外されていますが、対象年齢の方は定期接種で行うことが可能です。
ご家庭でよく話し合い、正しい知識と理解をしたうえでの接種をお勧めします。

対象年齢の方は定期接種で行うことが
可能です。
ご家庭でよく話し合い、正しい知識と理解をしたうえでの接種をお勧めします。

当院では4価ワクチン(ガーダシル®, MSD)が接種可能です。
定期接種の対象は小6〜高校1年相当です。

* 当院では中1~中2での接種をお勧めします。初回接種から半年間に計3回接種を行います。

最近の国内外の動き

※ 2018年ノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生は、「現状では日本人女性は実害を被っている」と受賞後会見でHPVワクチンの積極的な接種勧奨を訴えました。

※ 2018年6月日本産婦人科学会では「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の早期の勧奨再開を強く求める声明」を出しました。

※ 2019年5月WHOは「子宮頸がん排除」への声明を発表し、HPVワクチンと検診で 今世紀中に子宮頸がんの排除が可能としています。

※ 2020年1月 日本小児科医会では「子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)積極的接種勧奨再開に関する要望」を厚生労働省健康局長に提出しました。

海外情報

オーストラリアでは2007年から12~13歳の女子にHPVワクチン接種が開始され、2013年からは男女ともに定期接種となり、さらに2018年からはワクチンの種類が、子宮頸がんの原因となるHPV型の約90%をカバーする9価ワクチン(9種類の型が入っています)へと変更されています。
そのためオーストラリアでは2028年までには、子宮頸がんが10万人に4例未満まで減少し、さらに2066年には10万人に1例未満となり、先進国の中でも子宮頸がんを撲滅する最初の国になると予測されています。

詳しい情報
(専門機関からの案内)

◎国立がん研究センター
「子宮頸がん基礎知識」

◎日本産婦人科学会ホームページ
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために
WHOスライド:世界的な公衆衛生上の問題「子宮頸がんの排除」

◎VPD
ホームページ

ワクチン接種の詳細について(仙台市)

◎仙台市ホームページ:
子宮頸がん(HPV:ヒトパピローマウイルス感染症)予防接種について

3種混合ワクチンについて

感染力の強い「百日せき」について

百日せきは、2019年は15,974人の患者さんが報告され、特に小学生に多くみられました。
百日せきは感染力が強く、飛沫感染や接触感染によって周囲の人に感染が広がります。
保護者やきょうだいに広がる「家族内感染」を起こしやすく、百日せきのワクチンを接種していない乳幼児は
90%以上が感染するとされています。
乳幼児が百日せきにかかると重い症状が出やすく、特に6か月以下の乳児では死に至る危険性もあります。

ワクチンによる予防が最も効果的です。

乳幼児期に定期接種する4種混合ワクチン(DPT-IPV)で百日せきに対する免疫を獲得できますが、年月の経過とともに百日せきに対する免疫が低下します。そのため、5~15歳で百日せきにかかる患者さんが増えています。
そこで、百日せきに対する免疫を維持するために、小学校入学前に、任意接種として3種混合ワクチン(DPT)を追加接種することや、11~12歳で定期接種する2種混合ワクチン(DT)の代わりに任意接種として3種混合ワクチンを追加接種することが日本小児科学会から推奨されています。

就学前のお子さんは、MRワクチンやおたふくかぜと同時接種もできます。
質問・疑問などがございましたらお気軽にご相談ください。

なお、詳しくは日本小児科学会ワクチンスケジュールをご覧ください。